
ひまし油は、ヒマ(トウダイグサ科)という植物の種子から得られます。この油は、脂肪酸とグリセリンとのエステルですが、脂肪酸の約90%がリシノレイン酸(Ricinoleic Acid)であるため、他の植物油脂とは、異なったユニークな性状を示します。
ひまし油は、淡黄色の粘稠な不乾性油で、脂肪族炭化水素系溶剤を除く、 ほとんどの有機溶剤に可溶であり、特に含水アルコールにも可溶性を示すという特徴があります。
ひまし油は、ニトロセルロース、エチルセルロース、セルロースアセテートブチレート、 ポリアミド、ブチル化メラミン(または尿素)ホルマリン樹脂、ロジン、シェラックなどには、 可塑剤として用いるほど、良好な相溶性を示し、ポリビニールブチラール、 塩ビ・酢ビ・ビニルアルコール共重合物、塩化ゴムに対しても相溶性があります。
ひまし油は、優れた安定性、保色性、可撓性、顔料分散性、湿潤性、潤滑性、低温特性、電気特性、および生理的特性を有するために、そのままラッカー、レザー、印刷インキ、コーキング材、潤滑剤、文房具、化粧品、電気絶縁材料、医薬品などに配合使用されています。
ひまし油は、保有するOH基、二重結合、およびエステル結合を利用し、 多くの化学反応を行わせることができ、得られた生成物は、塗料工業、プラスチック工業、ゴム工業、建材工業、金属工業、および機械工業など広範な用途に向けられています。
ひまし油のトリグリセライド構造図

ひまし油脂肪酸(リシノレイン酸)の化学式

ひまし油の一般性状 |
| 比重(25℃/25℃) |
0.959 |
| 屈折率(nd20) |
1.477 |
| 粘度(25℃) |
680mPa・s |
| 流動点 |
-22℃ |
| 引火点 |
292℃ |
| 発火点 |
449℃ |
指定可燃物 可燃性液体類
ひまし油の脂肪酸組成 |
脂肪酸 |
含有量(%) |
| パルミチン酸 |
0.5〜1.5 |
| ステアリン酸 |
0.5〜1.5 |
| オレイン酸 |
2.5〜4.0 |
| リノール酸 |
4.0〜5.0 |
| リノレン酸 |
0.5〜1.5 |
| リシノレイン酸 |
87.0〜91.0 |
| ジビドロキシ酸 |
0.5〜1.5 |